街角を歩いていると、ふと目に留まるソフトクリーム店の店先。そこには、コーンを手にした可愛らしい男の子のキャラクターが立っていることがあります。幼い頃から見慣れた「あの人形」ですが、実は彼らには名前があり、日本のソフトクリームの歴史と深く結びついているのです。
店頭人形として愛されるキャラクター「ニックン」
店先で私たちを出迎えてくれるあの男の子は、「ニックン」という名前のキャラクターです。彼には「セイチャン」という双子の妹もおり、二人合わせて「ニックン&セイチャン」として親しまれています。
1951年頃からソフトクリームのパッケージなどに登場している彼らは、実は70年以上の歴史を持つ大ベテラン。公式設定では「アメリカ・メリーランド州出身の5歳」とされています。これには、日本のソフトクリームの黎明期にアメリカから機械などを輸入していたという、ルーツへのリスペクトが込められているのです。
街のアイコン「立体看板」としての役割
ニックンのように、お店の前に立っている大きな人形は、一般的に「店頭人形」や「立体看板」と呼ばれます。材質がFRP(繊維強化プラスチック)で作られていることから、業界では「FRP看板」と呼ばれることも少なくありません。
有名ファストフード店や薬局の店先に立つキャラクターと同様に、お店の目印となり、道行く人々の目を引く大切な役割を担っています。ニックンもまた、長年にわたり日本の街角のアイコンとして愛され続けている存在です。
日本のソフトクリーム市場を支える「日世」の存在
このニックンたちを生み出したのが、「日世(NISSEI)」という企業です。実は日世は、日本のソフトクリーム市場において圧倒的なシェアを誇る総合メーカーなのです。
ソフトクリームを作るために欠かせない「コーン」「フリーザー(専用機械)」「ミックス(液)」の3つをすべて自社で製造しているのは、国内で日世のみ。特にコーンやフリーザーの国内シェアは約75%を占め、遊園地、サービスエリア、街のカフェなど、私たちの身近な場所でその製品が活躍しています。
高級ソフトクリーム「クレミア」の誕生
日世の技術と情熱を象徴するのが、プレミアムソフトクリーム「クレミア(CREMIA)」です。ラングドシャのコーンと、流れるようなシルク状のクリームが特徴的なこの商品は、3年以上の歳月と400回以上の試作を経て誕生しました。
私たちが何気なく口にしている美味しいソフトクリームの背後には、こうした企業の絶え間ない探求心が隠されています。次に店頭でニックンを見かけた際は、その奥深い歴史と、日本のソフトクリームを支える技術にぜひ思いを馳せてみてください。